01 · APPI · 漏えい等報告
個人情報保護法の漏えい等報告
正式名称:個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法、APPI)
対象:個人情報を取り扱う事業者
求められること:要配慮個人情報、財産的被害のおそれ、不正の目的(サイバー攻撃を含む)によるおそれ、1,000人を超える漏えい等の4つの場合(おそれを含む)に、個人情報保護委員会(PPC)への報告と本人への通知が必要です(2022年4月1日から義務化)。速報は速やかに(概ね3〜5日以内)、確報は30日以内、不正の目的によるおそれがある場合は60日以内です。2026年7月17日に改正法(令和8年法律第56号)が公布され、一定の違反に対する課徴金などが導入されます。施行は公布から2年以内で、施行日は未定です。
運用上の意味:期限の起点は、社内のいずれかの部署が事態を知った時点です。侵入の範囲と持ち出されたデータを早く特定できるほど、速報と確報は正確になります。詳しくは漏えい等報告の解説をご覧ください。
出典:個人情報保護委員会 · 漏えい等報告の義務化、個人情報保護委員会 · 令和8年改正
02 · 強化法 · 2026年10月1日施行
サイバー対処能力強化法
正式名称:重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律(令和7年法律第42号)。2025年5月16日成立、5月23日公布
対象:政府が指定する特別社会基盤事業者。すべての企業が対象ではありません
求められること:2026年10月1日から、資産の届出、インシデント報告、官民の協議会、アクセス・無害化措置などが施行されています。特定侵害事象またはその原因となり得る事象について、第一報を速やかに、詳報を知った日から30日以内に、所管大臣と内閣総理大臣へ報告します。新たに導入する特定重要電子計算機は4か月以内、使用中のものは2027年3月31日までに届け出ます。通信情報の利用は2027年秋の開始が予定されています。
運用上の意味:原因となり得る事象も報告の対象となるため、侵害の前兆を見逃さない監視と、時系列の記録が前提になります。24時間365日の監視についてはMDRのページをご覧ください。
出典:参議院 · 議案情報(第217回国会)
03 · NCO · 2025年7月1日設置
国家サイバー統括室(NCO)
正式名称:国家サイバー統括室(National Cybersecurity Office)
対象:内閣官房の組織であり、企業に直接の義務を課すものではありません
求められること:2025年7月1日、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を改組して内閣官房に設置されました。内閣サイバー官が率い、サイバーセキュリティ戦略本部の事務局を担います。サイバー対処能力強化法の政令等は、2026年5月28日にNCOから公表されました。
運用上の意味:2025年7月1日より前の注意喚起や文書は、NISCの名義で出ています。公的な情報を参照する際は、発出の時期と名義を確認してください。
出典:金融庁 · 2025年7月4日の公表資料
04 · 経済安保 · 基幹インフラ
経済安全保障推進法の基幹インフラ制度
正式名称:経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律(経済安全保障推進法)
対象:基幹インフラの15分野で指定された事業者(2023年11月17日時点で210者)。2026年6月17日に公表された改正で医療分野が加わり、段階的に施行されます
求められること:特定重要設備の導入や、その維持管理等の委託を行う際に、導入等計画書を事前に届け出ます。審査期間は原則30日です。
運用上の意味:設備の維持管理を受託する委託先にとっても関係する制度です。委託先の選定と管理について、根拠を説明できる状態にしておくことが重要です。
出典:内閣官房 · 基幹インフラ制度の資料、内閣府 · 2026年改正の概要
05 · METI · ガイドライン
サイバーセキュリティ経営ガイドライン Ver3.0
正式名称:サイバーセキュリティ経営ガイドライン Ver3.0(経済産業省、2023年3月)
対象:経営者。法律ではなくガイドラインです
求められること:経営者が認識すべき3原則と、経営者がCISO等に指示すべき重要10項目で構成されています。たとえば指示7「インシデント発生時の緊急対応体制の整備」、指示9「ビジネスパートナーや委託先等を含めたサプライチェーン全体の状況把握及び対策」が含まれます。
運用上の意味:指示5「サイバーセキュリティリスクに効果的に対応する仕組みの構築」、指示7と指示8(緊急対応と事業継続・復旧)、指示10(情報の収集、共有及び開示)は、日々の運用で裏づけられる項目です。経営層向けの整理は経営層のためのサイバーセキュリティをご覧ください。
出典:経済産業省 · サイバーセキュリティ経営ガイドライン、IPA · 重要10項目
06 · SCS評価制度 · 開始予定
SCS評価制度(★)
正式名称:サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度(経済産業省・NCO、運営はIPA)
対象:取引先や委託先として、セキュリティ対策の水準を示す必要がある企業
求められること:★3は26項目、専門家の確認を受けた自己評価で、有効期間は1年です。★4は43項目、第三者評価と技術的な検証を受け、有効期間は3年です。★5は検討中です。
運用上の意味:2026年度末頃(2027年3月まで)の開始が予定されています。取引先から対策の状況を示すよう求められる場面が増えると考えられます。外部に公開された資産の把握から準備を始めることができます。
出典:IPA · SCS評価制度の詳細
本ページは、2026年10月時点で確認できる公開情報にもとづく一般的な情報の提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。
個別の適用や報告の要否については、弁護士等の専門家にご確認ください。