国家支援型APTの脅威インテリジェンス
欧州の航空宇宙サプライチェーンで活動するAPT28、APT41、Lazarus、MuddyWaterを追跡しています。産業スパイ、知的財産の窃取、CADモデル、アビオニクスのコード、デュアルユースの研究開発データが狙われます。検知はMITRE ATT&CKに対応づけています。
航空宇宙・防衛産業とそのサプライチェーン全体は、産業上の知的財産を狙う国家支援型APTと、取引先とのやり取りに使うメールやクラウド連携から侵入するサプライチェーン攻撃の主要な標的です。対象はOEM、プライム企業、下請け企業、MRO、商業宇宙、研究開発まで、産業全体に広がります。
航空宇宙産業は「ほかと同じ製造業」ではありません。攻撃者は国家レベルの組織であり、サプライチェーンは4〜5層に及び、メールとクラウドで日々つながっています。そして産業上の知的財産は、数年にわたって価値を持ち続けます。この3つの要因が、求められるサイバー防御の形を大きく変えます。
欧州の航空宇宙サプライチェーンで活動するAPT28、APT41、Lazarus、MuddyWaterを追跡しています。産業スパイ、知的財産の窃取、CADモデル、アビオニクスのコード、デュアルユースの研究開発データが狙われます。検知はMITRE ATT&CKに対応づけています。
取引先の乗っ取られたアカウントを使うBEC(ビジネスメール詐欺)は、最も多く悪用される経路です。差し替えの請求書、改ざんされた支払指示、信頼できる取引先の署名付きのペイロード。文面の異常とパターンをAIで検知します。
クラウド連携は新しい攻撃経路です。OAuth同意フィッシング、テナント間の信頼関係の悪用、APIキーの侵害、共有SSOへのフェデレーション攻撃、連携したCI/CDパイプラインへのインジェクション。テナントをまたぐアクセスをUEBAで監視します。
Fortgaleは、過去24か月に欧州の航空宇宙サプライチェーンで確認された事案をもとに、これらのグループを継続的に追跡しています。TTPは検知ルールに組み込まれ、IoCはSOCに提供されます。
産業スパイ。研究開発部門の技術者を狙うスピアフィッシング、ExchangeやVPNのゼロデイ脆弱性の悪用。欧州の航空宇宙サプライチェーンを長年標的にしています。
長期的な産業スパイ。航空宇宙分野の知的財産の窃取、ビルドサーバーへの持続的な改変、数年にわたるアクセス。民間航空宇宙とデュアルユース技術が対象です。
産業スパイと金銭目的。LinkedInで航空宇宙のエンジニアに偽の求人を持ちかける手口、開発ツールやCI/CDを狙うサプライチェーン攻撃。
低コストの大量フィッシング、認証情報の収集、PowerShellによる永続化。地域のサプライチェーンの取引先へ侵入を広げます。
IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2026」(組織編)では、「サプライチェーンや委託先を狙った攻撃」が2位に選ばれ、8年連続の選出となりました。攻撃者は標的の境界から直接ではなく、取引先、パートナー、自動化された連携を経由して侵入します。メールとクラウドの信頼関係は、その2つの主要な経路です。
攻撃者は取引先をなりすますのではなく、実在する取引先のメールアカウントを乗っ取り、そこから正規に見える連絡を送ります。確認されている手口:振込先を変えた差し替えの請求書、CFOを装った支払指示、署名付きのペイロードを含むファームウェア更新や技術文書。Fortgaleの検知:AIによる文面の異常検知、支払パターンの行動ベースライン、なりすましドメインの事前監視、メールとネットワークのイベントのSOCによる相関分析。
航空宇宙のサプライチェーンは、日々クラウド環境を共有しています。OEMと下請け企業の間で連携したMicrosoft 365テナント、研究開発部門のアカウントへのOAuth同意フィッシング、ERP、CRM、PLM、MES連携でのAPIキーの侵害、共有SSOへのフェデレーション攻撃、連携したCI/CDパイプラインへのインジェクション(例:パートナーのシークレットを持つGitHub Actions)。Fortgaleの検知:テナントをまたぐUEBA、通常と異なるOAuth同意の監視、Entra IDゲストアカウントの継続的な監査、MITRE ATT&CK T1199とT1078.004。
日本では、防衛装備庁が防衛産業向けのサイバーセキュリティ基準を定め、警察庁などの関係機関が先端技術を狙う攻撃キャンペーンについて注意喚起を行っています。多層のサプライチェーンでは、大手企業だけでなく中小の下請け企業も対象になります。
防衛装備庁が2022年に策定し、2023年度の契約から適用している基準です。水準はNIST SP 800-171と同等で、下請け企業を含む防衛産業の全ての企業が対象です。
警察庁とNISCは2025年1月、2019年頃から続くMirrorFaceの攻撃キャンペーンについて注意喚起を行いました。安全保障や先端技術に関わる組織が標的とされ、中国の関与が疑われるとしています。
組織編で「サプライチェーンや委託先を狙った攻撃」が2位に選ばれ、8年連続の選出です。取引先や委託先が、攻撃の入口になり続けています。
警察庁、NISC、米国のNSA・FBI・CISAによる2023年9月27日の合同注意喚起は、ルーターのファームウェアの改ざんと、海外子会社を足がかりに日本や米国の本社へ侵入を広げる手口を報告しています。
欧州の航空宇宙関連組織に対する実際のインシデントと、インテリジェンスのアドバイザリでFortgaleが確認した手法を、MITRE ATT&CKに対応づけています。検知ルールはお客様のSOCで作成・検証したものであり、机上の理論ではありません。
取引先から盗んだ有効な証明書で署名された、マクロ付きのOffice文書。よく使われる件名:「AS9100認証の更新」「Tier-1サプライヤーへの通知」「OEMの品質監査」。標的は研究開発部門の技術者、調達部門の責任者、セキュリティ担当者です。
実在する取引先のメールアカウントを使い、振込先を変えた差し替えの請求書、支払指示、ペイロードを含む技術文書を送ります。検知されるまでのアクセスの平均継続期間:23日。
初期侵入として、修正されていない旧来のSSL VPN(Pulse Secure、Fortinet FortiOS、Citrix NetScaler)の脆弱性を悪用します。欧州の航空宇宙関連組織に対して、CVE公開から悪用までに確認された平均期間:9日。
研究開発部門の担当者のMicrosoft 365認証情報が、インフォスティーラーのログ(RedLine、Lumma、Vidar)から取得され、アンダーグラウンドのフォーラムで転売されます。セッショントークンの窃取やトークンの再発行によって多要素認証が回避されます。
プライム企業のシステムと拠点間VPNでつながるシステムインテグレーターやソフトウェアの下請け企業を侵害します。検知されるまでに確認された平均潜伏期間:187日。
研究開発部門のユーザーをだまし、Mail.Read、Files.Read.All、offline_accessの権限を持つ悪意あるアプリにOAuth同意を与えさせます。リフレッシュトークンによって永続化し、パスワードを変更しても残ります。
機体、エンジン、アビオニクス、商用衛星、推進システムの主要メーカー。ビルドサーバーやCADリポジトリを共有する、複数拠点にまたがる環境です。
機械・電子部品、組込みソフトウェア、品質認証(AS9100、EN 9100)。ITとOTが混在する中小企業で、サプライチェーンの中で最も狙われやすい部分です。
民間の衛星運用事業者、地上局、商用ペイロード、地球観測、衛星通信、商業ロケット。
整備、修理、オーバーホール。独自ツールを使うITとOTの混在環境、機体診断のためのリモート接続、耐空証明に関わるERP。
航空宇宙のサプライチェーン。専門輸送、クリーンルーム倉庫、ロットのトレーサビリティ、サプライチェーンの品質認証。
大学、コンソーシアム、国や国際的な研究プログラムに参加する民間の研究開発ラボ。特許出願前の知的財産を狙う攻撃の標的になりやすい組織です。
防衛関連の契約では、防衛装備庁の防衛産業サイバーセキュリティ基準(NIST SP 800-171と同等の水準)が適用されます。加えて、OEMやプライム企業からの契約上の要求(ISO/IEC 27001、NIST CSF、OT向けのIEC 62443など)、経済産業省のサイバーセキュリティ経営ガイドライン Ver3.0(サプライチェーン対策は重要10項目の指示9)、個人データについては個人情報保護法が関係します。Fortgaleはこれらを一つのマッピング表に整理します。法的な判断は弁護士等の専門家にご確認ください。
理由は3つです。(1)設計図、特許、アビオニクスのコード、CADモデル、デュアルユースの研究開発データなど、非常に価値の高い知的財産があること。(2)数百の下請け企業が相互につながる多層のサプライチェーンに入り込めること。(3)防御の弱い取引先を足がかりに、大手OEMへ到達できること。欧州で確認されている主なグループは、APT28(ロシア)、APT41(中国)、Lazarus(北朝鮮)、MuddyWater(イラン)です。日本では、警察庁とNISCが2025年1月に、安全保障や先端技術を狙うMirrorFaceの攻撃キャンペーンについて注意喚起を行っています。
メール経由のサプライチェーン攻撃は、最も多く悪用される経路です。実在する取引先のアカウントを乗っ取ったビジネスメール詐欺(BEC)、差し替えの請求書、改ざんされた支払指示、信頼できる取引先の署名付きのペイロードなどがあります。対策は4つです。(1)DMARC、DKIM、SPFの強制適用。(2)文面の異常と支払パターンをAIで検知。(3)なりすましドメインの事前監視。(4)メールの異常とネットワークのイベントをSOCで相関分析するMDR。
クラウド連携は、サプライチェーン攻撃の新しい経路です。(1)取引先のMicrosoft 365テナントでのOAuth同意フィッシング。(2)Entra IDのゲストアカウントを使ったテナント間の信頼関係の悪用。(3)SaaS連携(ERP、CRM、PLM、MES)のAPIキーの侵害。(4)共有SSOへのフェデレーション攻撃。(5)連携したCI/CDパイプラインへのインジェクション。Fortgaleは、テナントをまたぐアクセスをUEBAで監視し、MITRE ATT&CKに対応づけた検知(T1199、T1078.004、T1528)を行います。
はい。防衛装備庁によると、この基準は2022年に策定され、2023年度の契約から適用されています。対象は下請け企業を含む防衛産業の全ての企業で、水準はNIST SP 800-171と同等です。また、経済産業省とNCOによるサプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度(★)が2026年度末頃に開始される予定で、委託先は自社の対策を示すことが求められるようになります。Fortgaleは管理策のマッピングと、検知・監視の運用を支援します。基準への適合を認定するものではありません。
航空宇宙・防衛産業のサプライチェーンを狙う攻撃者は、組織化され、資金があり、忍耐強く、多くの場合は直接の境界ではなくサプライチェーンの弱い部分から侵入します。お客様の業界で活動するAPTグループと、メールやクラウドを経由するサプライチェーン攻撃の手口について、脅威ブリーフィングをご依頼ください。
自動返信やナーチャリングメールは送りません。1営業日以内(欧州の営業日・CET/CEST)に、アナリストから英語でご連絡します。
レポートの全文(エグゼクティブサマリー、運用向けIoC、技術的な対応手順書)は限定公開です。いくつかの情報をお送りいただくと、アナリストからアクセス方法と簡単な技術ブリーフィングについてご連絡します。
30分以内に折り返しご連絡し、1〜4時間を目安に封じ込めを行います。Fortgaleのお客様でなくてもご相談いただけます。緊急対応は英語で行います。